い草は、1本1本に青々とした色ツヤがあり、色持ちが良く、退色後も年月を重ねるごとに味わい深い飴色へと変化して行きます。その色合いを保つ秘訣として、栽培方法や、加工方法に特長がります。
い草に含まれる成分は、森林浴と同じぐらいの種類の成分で構成されているため、鎮静効果があり、現代社会で疲れきった私達の体を癒してくれる「アロマテラピー効果」があるのではないかと考えられてます。
畳表のい草の断面はスポンジ状になっています。また畳床に使用されるワラは中がストローのように空洞になっています。い草もワラも弾力があることで、多くの空気を含んでいます。空気には熱を伝えにくい性質があり、暑い夏の日には畳が含む空気によって暑さを遮断し、心地好い感触を与えてくれます。寒い冬の日には、外の冷たい空気を畳の中の空気がさえぎってくれます。このように夏は涼しく、冬は暖かいという優れた断熱性と保温性を持っています。
現在、私たちが生活している環境には煙草、自動車や工場等から排出された有害物質(例えば窒素酸化物や揮発性有機化合物)が存在しています。ところが、い草製品は空気中の二酸化窒素やホルムアルデヒドを収集し、空気をきれいにすることが明らかにされています。い草は天然の空気清浄機としての機能を持っているのです。
い草の成分に、病原性大腸菌O157や、サルモネラ菌など、食中毒を起こす病原菌に対して抗菌性があることが発見され、現在食品や、医薬品への利用も研究されています。
最近の住宅は昔に比べ機密性が格段に向上し、そのために従来では考えられなかった湿気の問題が発生っしています。い草は空気中の水分が多い時は湿気を吸収し、乾燥時には水分を放出、部屋の中の湿気を調整します。機密性の高い住宅においてはい草は年間を通じお部屋を快適に保つ、人間に優しい素材です。
畳表はい草を畳床はワラを40cmくらい積み重ねたものを5cmほどに圧縮してつくられるため、畳には弾力が生まれます。い草やワラの組織には、無数の空気の層があるため音を吸音・防音する効果があり、畳の上を歩いている時の足音などが吸収されます。和室などで、くつろげるのは、そう言った弾力性・吸音性・防音性が大きく作用しているのです。